子どもの歯並び矯正はいつから始める？4歳までに歯医者さんへ相談するべき理由

 

お子さんの歯並び・噛み合わせの相談について、「乳歯だからまだ早いかも？」「もう少し大きくなってからでいいのかな？」と誤解されがちですが、実は4歳前後が最も効果的なタイミングです。なぜならば、お子さんの顎の成長に合わせて矯正がしやすいのが、ちょうどこの時期だからです。
今回は歯科医師として、なぜ4歳までに相談してほしいのか、できるだけわかりやすく解説します。

 

上顎の成長ピークは6歳、4歳は最も整えやすいタイミング

上顎の成長は 6歳前後にピークを迎えることがわかっており、4歳はその少し前。骨が柔らかく、歯並びの矯正がしやすい理想的な時期です。早めに治療を開始すると、以下のような大きなメリットがあります。

 

上顎が整うと下顎もキレイに成長しやすい

人は脳から成長する過程で上顎が先に成長します。上顎の成長が不十分だと、下顎も十分に成長することが難しくなります。上顎の成長ピークは6歳前後なので、このタイミングで矯正しておけば下顎もキレイに成長しやすくなります。また上顎の成長と一緒で、上前歯の成長のピークも6歳前後になります。上前歯の歯並びを矯正したい場合は、この時期を逃してほしくないです。

 

永久歯のスペースを確保するために抜歯する必要がなくなる

生まれつき顎の小さい子どもは、永久歯が生えてくるスペースが足りず、歯並びが悪くなってしまうことがあります。それを防ぐために、永久歯が生えてくる場所を抜歯してつくる治療も発生してしまいます。
しかし、早い段階で矯正治療を行えば、顎の幅を成長に合わせて広げることもできるので、抜歯するというケースを防ぐことができます。
※4歳から矯正を行なっても抜歯が必要になる場合もあります。

 

歯並びを悪くするクセを改善することができる

指しゃぶり、舌のクセ、口呼吸などのクセを早めに改善することで、悪いクセによる影響を少なくすることができます。早い段階でクセを改善するだけで歯並びが良くなるお子さんもいます。

 

早く始めるほど効果が出やすい、咬合誘導（こうごうゆうどう）とは？

咬合誘導は、大人の矯正のように強い力で歯を動かす治療ではありません。
顎そのものの成長を正しい方向に導く治療で、小児歯科特有の治療です。矯正装置をお子さんの口に取り付けて、顎の成長に合わせてゆっくり矯正していきます。

咬合誘導することで得られる効果

早めの咬合誘導をすることで、お子さんにとって多くの良い影響が期待できます。

・受け口や上顎の狭さの改善
・永久歯のスペース確保、抜歯リスクの軽減
・顔のバランスを整えやすい

効果に即効性はないので、治療期間は「半年〜2年」ほどになりますが、痛みもほとんどなく治療を行うことができるので、安全性の高い矯正方法と言えます。

 

子どもの歯並び矯正の流れと期間の目安

① 初回相談

まずは噛み合わせ・顎の成長方向・習癖をチェックします。
治療が必要かどうかを判断し、必要な場合は大まかな治療計画をご説明します。
ちなみに、治療が不要のお子さんも多いです。

 

② 成長観察

治療と言っても、いきなり装置をつけることはありません。
まずは成長方向を見守りながら、必要なタイミングを見極めます。
「顎の幅」「噛み合わせ」「舌や口のクセ」「姿勢・鼻づまりの有無」などを丁寧に確認します。

 

③ 装置を使用した咬合誘導：（期間：6ヶ月〜2年程度）

4歳〜6歳頃は骨が柔らかく、矯正の効果が出やすい時期です。「プレート型装置」「マウスピース型装置」「拡大装置」などの矯正装置を使って、顎の成長を正しく誘導したり、顎のは幅を広げたりします。
期間は6ヶ月〜2年程度で、痛みはほとんどありませんのでご安心ください。

 

④ 習癖改善

舌のトレーニング、口呼吸改善のための指導、姿勢の改善なども並行して行います。
これだけで噛み合わせが整うケースもあります。

 

⑤ 永久歯が生え始めたら再評価（6〜7歳）

「前歯がキレイに並ぶか」「顎のスペースは足りているか」「顎の位置は正しいか」
を評価し、続けて矯正が必要かどうかを判断します。
咬合誘導だけで終了するお子さんも多く、必要な場合でも治療期間が短くなることがほとんどです。

 

お子さまのキレイな歯並びのために、まずはご相談ください

4歳までの時期は歯並び矯正を行う「ゴールデンタイム」と言えます。
治療が必要かどうかも含め、一度お子さんのお口の状態を確認されることをおすすめします。
当院でも、幼児期の噛み合わせ相談を多く担当していますので、ぜひお気軽にご相談ください。
（※時期によっては予約が取れにくく、お待たせすることがありますが、ご理解、ご協力をお願い申し上げます。）

 

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